将来性と即戦力の選択 プロ野球のドラフト戦略

ドラフト会議の行方

プロ野球球団の新人選手獲得には必ずドラフト会議による選手選抜を行わなければなりません。
毎年、多くのアマチュア球児たちがプロの門を叩きますが、甲子園で名を轟かせ、高校卒業と同時にプロ野球の世界に飛び込む選手もいれば、大学、社会人、独立リーグなどを経験してから指名されてプロの世界へ飛び込む選手もいます。どんな点に注目して指名された選手や球団の戦力を見ていけばいいのか、という点について紹介します。

いくら甲子園を沸かせたと言っても、高校卒業と同時に入団する選手ですぐにプロの世界で通用する選手はほとんどいません。
野手であれば、高校野球は金属バットを使用しているため高校でいくら打っていてもプロ野球で木製バットを上手く扱えなければ大成出来ません。守備に関してもプロの打球とアマチュアの打球では速度が違いますので、守備の名手として甲子園のスターになった選手でもプロの世界では並程度の守備力と見られてしまいます。また成長期が終わってすぐ、ということもあり身体が出来ていないことが多いので、投手であってもまずトレーニングとプロの水に慣れることをしばらくの目標にします。
そのため高校生の指名は将来性を見越して行われます。

球団の性格

一方で大学や社会人、独立リーグを経た選手は高校を卒業したばかりの選手よりも年齢が高く身体が出来上がっていますし、木製バットに慣れていることが多いこと、ハイレベルな野球に慣れていることも手伝って即戦力として指名されているケースが多いです。
高校生よりも年齢が高い、経験値があるということは裏を返せば脂ののった年齢でプロに入ることになる、ということですので入団後すぐ活躍できなければ選手としての旬はすぐに過ぎてしまいます。大学生や社会人を多く指名している球団であれば、即座に埋めたい戦力的な穴がある場合が多く、すぐに一軍で使える戦力を欲している球団である、と言えるでしょう。

どんな選手をドラフトで指名しているかで、球団の戦力評価や今後の展望が垣間見えるのが面白いところです。